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更新日 2026.10.25
投稿日 2026.10.25
採用がうまくいかない。媒体を変えても、紹介会社を増やしても、欲しい人材に出会えない——そんな手詰まり感、ありませんか?
原因は手法の良し悪しではなく、手法を「点」で使っていることにあるのかもしれません。採用マーケティングとは、ばらばらの打ち手を一本の線につなぎ、求職者に「選ばれる」流れを設計する考え方です。
この記事では、まず採用マーケティングの主要な手法を10の地図として整理します。そのうえで、日本でいま主流になりつつあるショート動画採用の現在地と、海外で先行する事例から、これからの採用がどこへ向かうのかを読み解いていきます。
採用マーケティングとは——「点」の採用から「線」の設計へ
採用マーケティングとは、マーケティングの考え方を採用活動に応用し、求める人材に「選ばれる企業」になるための取り組み全般を指します。難しく聞こえるかもしれませんが、本質はシンプルです。
従来の採用と何が違うのか
従来の採用は「求人を出して、応募を待つ」受け身のスタイルでした。求人媒体に掲載し、来た応募を選考する。この流れが長く機能してきました。
でも、いまはどうでしょう。求職者は応募する前に、SNSや口コミ、動画で企業を徹底的に調べています。「選ばれる」のではなく「選ぶ」立場に、求職者のほうが回っているのです。採用マーケティングは、この変化に対応する考え方。求職者が「認知→興味→比較→応募→入社」とたどるプロセス全体を設計し、各段階で適切な情報を届けていきます。
例えるなら、従来の採用は「店先に商品を並べて客を待つ」やり方。採用マーケティングは、客がどんな経路で店にたどり着き、何を見て購入を決めるかを把握したうえで、その道筋に沿って案内を置いていくやり方です。同じ商品でも、どちらが選ばれやすいかは想像がつくのではないでしょうか。
採用を「点」で考える会社は、媒体を増やすほど疲弊します。大事なのは打ち手の数ではなく、つながり方です。
採用ブランディングとの関係
採用マーケティングとよく混同されるのが、採用ブランディングです。両者は対立するものではなく、役割が違います。
採用ブランディングは「自社がどんな会社か」というイメージを中長期で育てる土台づくり。採用マーケティングは、その土台の上で、実際の採用活動を最適化していく実行の部分です。ブランディングで地面をならし、マーケティングでその上に道を引く——そんな補完関係だと捉えるとわかりやすいでしょう。採用ブランディングそのものについては、別記事で詳しく解説しています。【内部リンク:採用ブランディングとは】
採用マーケティングの手法10選——全体地図で捉える

ここからが本題です。採用マーケティングの手法は多岐にわたりますが、ばらばらに覚えても使いこなせません。大切なのは「どのフェーズで効く手法か」という地図のなかで捉えること。求職者の段階に沿って、代表的な10の打ち手を整理します。
認知フェーズの手法(オウンドメディア・SNS・ショート動画)
まずは「知ってもらう」段階の手法です。
①オウンドメディアは、自社で運営する採用ブログや特設サイト。一度作れば資産として積み上がり、媒体費に依存しない集客基盤になります。②SNS運用は、X・Instagram・LinkedInなどで日常的に会社の文化や雰囲気を発信し、「もし転職するならここ」という認知を平時から育てる手法です。そして③ショート動画。TikTokやInstagram Reelsで働く現場のリアルを短尺で届けるこの手法は、いま認知フェーズの主役になりつつあります。後ほど一章を割いて掘り下げます。
興味・比較フェーズの手法(採用サイト・社員発信・採用イベント)
次は、知った求職者に「もっと知りたい」と思わせる段階です。
④採用サイトは、求職者が必ず立ち寄る比較検討の中心地。社員インタビューや仕事のリアルを充実させることで、応募の意思決定を後押しします。⑤社員発信(エンプロイー・アドボカシー)は、社員自身がSNSなどで働く姿を語る手法。会社が語るより、現場の社員が語るほうが信頼されやすい。⑥採用イベントは、説明会やミートアップで直接接点を持つ手法で、Webでは伝わらない生の空気を届けられます。
応募・選考フェーズの手法(ダイレクトリクルーティング・リファラル)
「応募してもらう」段階を後押しする手法です。
⑦ダイレクトリクルーティングは、企業から候補者へ直接アプローチするスカウト型。待つのではなく攻める採用です。⑧リファラル採用は、社員が知人を紹介する制度。カルチャーマッチの精度が高く、入社後の定着率も上がりやすいことで知られています。媒体費・紹介手数料に比べてコストを抑えられる点も魅力です。
潜在層・再接点の手法(タレントプール・アルムナイ)
最後は、すぐには動かない層との関係を育てる手法です。
⑨タレントプールは、今すぐ転職しない潜在層や過去の選考参加者と継続的につながり、タイミングが来たときに動いてもらう仕組み。⑩アルムナイ(退職者)採用は、一度辞めた元社員との関係を保ち、出戻りや口コミ発信につなげる手法です。自社をよく知る人材だけに、即戦力としての期待も大きい。「辞めた人とのつながり」を資産と捉える発想は、見落とされがちですが効果は小さくありません。
手法は「選ぶ」のではなく「つなぐ」——設計の考え方

10の手法を並べてみて、どう感じたでしょうか。「うちはどれをやればいいのか」と迷ったかもしれません。でも、ここで一番伝えたいのは、手法は一つを選ぶものではない、ということです。
キャンディデイトジャーニーで全体をつなぐ

採用マーケティングの肝は、求職者が認知から入社まで進む道筋——キャンディデイトジャーニーに沿って、手法を「線」でつなぐことにあります。
認知でショート動画に触れ、興味を持って採用サイトを訪れ、社員の発信で信頼を深め、スカウトで応募に至る。一つひとつの手法は点でしかありませんが、求職者の移動に沿って配置すれば、全体が一本の流れになります。逆に、いくら個々の手法が優れていても、点のままばらばらに打っていては、求職者は途中で離脱してしまう。手法そのものより、つなぎ方の設計こそが他社との差を生むのです。
「どの手法が最強か」を探す会社より、「手法をどうつなぐか」を考える会社が勝ちます。最強の単発施策は存在しません。
どの手法から始めるべきか
とはいえ、最初からすべてを完璧に組む必要はありません。まず自社の採用ファネルのどこに穴があるかを見極めること。そもそも認知が足りないのか、応募はあるが選考で離脱するのか、内定辞退が多いのか。ボトルネックの場所によって、最初に着手すべき手法はまるで変わります。
応募数が足りないなら認知フェーズの手法から。応募はあるが質が合わないなら、採用サイトや社員発信で「伝え方」を見直す。一番詰まっている場所から手をつけるのが、遠回りに見えていちばんの近道ではないでしょうか。
日本でいま主流になりつつある「ショート動画採用」

10の手法のなかで、いま日本で急速に存在感を増しているのがショート動画です。なぜこれほど注目されているのか、採用マーケ全体のなかでどう位置づければいいのかを整理します。
なぜショート動画が採用の主役になりつつあるのか

理由は、求職者の情報収集行動が根本から変わったからです。
テキストの求人票では伝わらない「職場の空気感」「人のキャラクター」「仕事のリアル」が、数十秒の動画なら直感的に伝わります。特にZ世代・ミレニアル世代は、応募前に動画で「自分に合いそうか」を見極める習慣が定着しつつある。求人票を何枚読んでも判断できなかったことが、一本の動画で腑に落ちる——そんな経験は、求職者の側にこそ起きています。だからこそ、認知の入り口でショート動画を持つ企業と持たない企業の差が、じわじわ開いているのです。
採用マーケ全体のなかでの位置づけ
ただ、ここで注意したいことがあります。ショート動画は強力ですが、万能の単発施策ではありません。
ショート動画はあくまで「認知の入り口」を担う手法。そこで興味を持った求職者を、採用サイトや社員発信、スカウトへとつなげて初めて応募に結びつきます。動画単体で採用が完結するわけではない、ということです。ショート動画の制作ポイントや、実際にCPAを改善した事例については、別記事で詳しく掘り下げています。あわせてご覧ください。【内部リンク:採用動画の成功事例7選】
海外の採用マーケティング最新事例——次に来るものを読む

日本のショート動画化の現在地が見えたところで、視点を世界に広げてみましょう。海外、特に米国・英国の採用マーケティングは、日本の少し先を歩いています。次に何が来るのかを読むヒントが、ここにあります。
CVS Health(米国)|TikTokリード獲得という発想
米国の大手ドラッグストアチェーン、CVS Healthは、人手不足のなか、受け身の求職者(パッシブ層)にリーチする新しいチャネルとしてTikTokに着目しました。
採用マーケティング専門エージェントと組み、TikTok上で「リード獲得(Lead Generation)」キャンペーンを展開。求職者をアプリの外に連れ出すのではなく、TikTokの中で完結する応募フォームを使い、興味を持ったその場で関心を表明してもらう設計にしました。結果、240万インプレッションを獲得し、リード単価(CPL)は20.60ドルという効率を実現しています(※1)。注目すべきは、動画を「見せる」だけでなく「その場で応募につなげる」導線まで一体で設計した点です。
Hospitality Rising(英国)|業界そのもののイメージを変える
英国の事例は、もう一段スケールの大きい話です。Hospitality Risingは、ホスピタリティ業界全体の人材難を解決するために立ち上がった共同キャンペーン。一社の採用ではなく、「業界のイメージそのもの」を変えにいきました。
ターゲットは18〜24歳の学生・新卒層。TikTokのクリエイターたちに大幅な裁量を与え、それぞれの個性で業界の魅力を語ってもらう手法を採りました。会社側が細かく指示するのではなく、クリエイターが自分の言葉で語る。この「作り込みすぎない」設計が功を奏し、キャンペーンは30万件を超える応募開始を生み出しました(※2)。一社の枠を超え、業界全体でブランドを築くという発想は、人材難に悩む日本の業界にとっても示唆に富みます。
海外事例から見える、日本の採用が向かう先

2つの事例に共通するのは、ショート動画を「認知のための動画」で終わらせず、応募獲得やブランド形成という成果に直結させている点です。
海外の採用マーケティングでは、「制作会社に6桁の費用をかけて作り込む」従来型から、社員自身が語る等身大のコンテンツを機動的に出す「モジュラー型」へと潮流が移っているとも指摘されています。求職者が企業の価値観や働く実感を、より生々しく知りたがっているからです。この流れは、日本でも確実に追いかけてくるでしょう。動画を作ること自体ではなく、動画を起点に応募とブランドをどう設計するか——そこが次の主戦場になるのではないでしょうか。
海外は「動画を作る」段階を終え、「動画で何を動かすか」に進んでいます。日本もすぐそこです。
採用マーケティングを始めるために——最初の一歩
ここまで、採用マーケティングの考え方、10の手法の地図、日本のショート動画化、そして海外の最新事例を見てきました。
最後にお伝えしたいのは、最初から完璧な仕組みを目指さなくていい、ということです。まずは自社の採用ファネルのどこが詰まっているかを把握し、一番のボトルネックに一つ手を打つ。その小さな一歩の積み重ねが、やがて「選ばれる会社」への流れをつくります。
そして、忘れてはならないのが、手法はすべて「求職者の視点」でつながって初めて機能するということ。獲得のためのマーケティングと、選ばれるためのブランディング。この両輪をどう噛み合わせるかに、採用マーケティングの成否がかかっています。手法の地図を手に、まずは自社の一歩を踏み出してみませんか。
採用マーケティング・ショート動画制作についてのご相談は、株式会社リシンクへお気軽にどうぞ。【内部リンク:お問い合わせ】
参照データ一覧
※1 TikTok for Business ケーススタディ(CVS Health)https://ads.tiktok.com/business/en-US/inspiration/cvs-health-1127
※2 TikTok for Business ケーススタディ(Hospitality Rising)https://ads.tiktok.com/business/en-US/inspiration/hospitality-rising-tiktok-success-stories

採用情報
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